その問題,数理モデルが解決します

書籍情報

感想

統計モデルを社会学的に応用する事例の紹介本.社会学の経験はないが,具体的な事例をモデル化する過程が分かり易い.

特に,2章「卒業までに彼氏ができる確率」での,ベルヌーイ分布と,2項分布の適用方法や,3章「内定をもらう方法」で2項分布にベータ分布を組み合わせて,ベータ2項分布を導出する過程が興味深い.

これまで確率統計の本で,ベータ分布(関数)という言葉は耳にしていたが,どのように応用するのか,この本で,確率の確率分布をモデル化するのに適用するというのは,応用の可能性がすごく高い気がして驚いた.

また,5章「理想の部屋を探す方法」での「R人観察法」は,秘書問題と言って,未来を予想することができない状況での現実的な最適解を求めるためのモデル化として興味深いし,12章「お金持ちになる方法」の対数正規分布やレパート分布は応用派にも広そうだ.

とにかく,確率統計は実社会で利用する機会の多い数学分野だが,応用のとっかかりに最適な本だと思う.